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協会設立趣旨
はじめに
 
今般、管路品質評価システム研究会を発展的に解消し、新たに管路品質評価システム協会として発足します。これは2003年から取り組んできた定量的な管路診断の基礎的な手法が確立し、開発を続けてきた診断装置が実用段階に入ったためで、今後は社会的なニーズに応えて、具体的に事業を支援する組織として活動してまいります。
いま下水道における社会的ニーズは、発生対応的な維持管理から予防保全を考えたアセットマネジメントへと変化しつつあり、農業用水などライフライン全体へも拡がりを見せています。定量的管路診断は、経済性の定量において管路施設のマネジメントには欠かせないもので、とくに改築や再構築などライフサイクルに関わる継続的な設計業務にも必要不可欠なものです。このような社会的なニーズの変化はビジネスモデルの変化をもたらし、従来の維持管理者と設計者の枠を越えて、高度な野外調査技術を有する会社とマネジメントコンサルティングを有する会社との創造的なコラボレーションを必要としています。
このような事情から協会発足にあたり、研究会の活動ベースとなっていた会員組織を一新し、従来の営業会員を廃止して、正会員(定量的管路診断に必要な機材と人員を有する高度な技術を持った調査会社と、管路施設のマネジメント技術を持ち定量的管路診断の普及に積極的な下水、農水コンサルタントで構成)、特別会員(公的機関)、賛助会員(調査機材の開発支援)で構成される、協会組織へ改編します。
協会では定量的な管路診断に賛同される会社の積極的な参加を呼びかけています。もちろん新しい診断技術を持って参加したい方も大歓迎です。以下の設立趣意をご覧のうえ、ぜひご入会ください。入会要領などの詳細は、事務局までお問い合わせください。

協会設立の目的
 
診断システムの啓蒙と普及
(1) 発生対応の維持管理から、予防保全の下水道マネジメント(アセットマネジメントやストックマネジメント)への変化に対応した、総合的な管路診断システムを啓蒙します
(2) 管路の物理診断(劣化・出来形)、機能診断(流下能力・水密性・不明水ほか)、経済診断(下水道マネジメント)を統合した、総合的な管路診断システムを普及させます
(3) 下水道だけではなく、農業用水を含めたライフラインパイプ全般の総合的な管路診断システムとして普及させます

診断技術の向上と標準化
(1) 大学との産学共同研究など、先鋭的な取り組みにより、最新の数値診断技術をとりいれて技術向上を図ります
(2) 下水道機構に向けた審査証明技術の構築など、公的機関と結んだ活動を支援して、公的評価の確立と国政レベルの標準化をめざします
(3) 診断技術、調査ロボット、評価基準、積算などの、様ざまな作業部会を設けて、会員相互の協力体制により、診断システム全体の品質向上を支援します
(4) 診断ロボットや検査装置を含めた、新しい定量的管路診断技術を積極的に評価し、協会レベルの導入を図ります
(5) 改善工事とは独立した、診断事業の公正と透明性の確保を前提とした定量的管路診断の標準化を促進します

会員への支援
(1) 業務の専門性や公正さに由来する、適正な業務利益の確保を側面支援します
(2) 定期的な展示会への出展のほか、自治体向けにデモや講演会を開催して、販売促進を積極的に行います
(3) 現場診断技術との交流を仲介し、物理・機能・経済診断を横断する総合診断システムの構築を積極的に支援します
(4) 定量的管路診断に基づく、再構築、修繕、維持の判断と改築計画の策定や、更生管も含めた管路品質手法の標準化を促進し、これに基づく営業活動を支援します
(5) 協会カタログ・標準仕様書のほか総合的な技術資料、積算資料、実績資料、審査証明などを提供し、販売促進を支援します
(6) インターネットを利用した、最新技術、納品実績、業務統計、販促情報の提供や、調査データ、集約統計管理データを配付などのデータサービスを予定しています。

調査会員への支援
(1) 会員と同様に、業務の専門性や公正さに由来する、適正な業務利益の確保を側面支援します(前掲参照)
(2) 継続的な研修セミナーの開催を通して、専門調査技術者の育成を支援します。
(3) RRLによる、公正な調査データサービスを提供します。

協会設立までの経緯
 
(1) 2003年11月、埋設既設管の劣化度調査・診断システムと更生管現場品質検査システムの実用化を目的として、管路品質評価システム研究会(PQEST:ピケスト)が、国立行政法人岐阜大の学内カンパニーであるRRL、積水化学工業、東亜グラウト工業により設立された。
(2) 2004年7月の下水道展において、岐阜大と積水化学の共同研究成果を衝撃弾性波ロボットによる管路調査・診断システムとして発表した。これは下水・農水用管路施設を対象としたコンクリート管の劣化診断システムで、その後現場データを積み重ねて改良し、実用段階に到る。2005年以降、石綿管の劣化診断としても実用化され、下水、農水を横断する総合的なライフライン劣化診断システムとして現在も進展している
(3) 同2004年7月の下水道展において、東亜グラウト工業が超音波検査ロボットによる更生管の管厚検査システムを発表し、2005年以降は対応更生管種を増やしつつ、更生管品質試験として実用性能を向上が図られて、ほぼ実用化の域にある。また同年、内径変形検査ロボットと不陸蛇行測定器を組合せた、管渠の三次元測定システムも発表し、その後現場データを積み重ねて改良し、2005年の現場実績を経て実用段階に到る
(4) 同2004年、管路施設の調査専門会社であるペンタフが参加し、物理診断(劣化、出来形)以外の機能診断(流下能力、水密性、接続、不明水)について、それまでの調査実績を整理するかたちで実用レベルのピケスト技術として再編した
(5) 現場調査手法の確立
衝撃弾性波法による劣化診断手法
超音波法による更生管管厚検査手法
傘骨式内径・変形検査+ジャイロ式不陸蛇行検査による出来形診断手法
面速式流量計を利用した流下能力(満管流量)の簡易定量手法
自動判定型圧力検知式リークテスタを用いた水密性検査手法
短期同時多測点流量調査による絞込みと検査、工事中の改善定量を組合せた雨水浸入水改善手法の確立など、定量的な不明水対策手法
(6) 改築(再構築)事業の増大に対応する、新しいビジネスモデル構築の必要性
管路施設の普及と経年管路施設の急激な増大
修繕レベルの対応では対処しきれない事態の招来
インフラマネジメントを必要とする改築・更新事業の幾何級数的な増大見込み
定量的管路診断とインフラマネジメントをコアにした新しいビジネスモデルの構築
マネジメントコンサルタントと調査専門会社との協業によるビジネスモデルの展開
現場調査技術と解析・診断・マネジメント技術を有する適正事業者の育成
事業に伴う社会的責任を明確にするために協会による支援が必要
(7) 2005年度末までに、劣化・出来形・機能診断を横断する現場調査手法が確立し、新しいビジネスモデルを構築するために、準備段階としての研究会を発展的に解消し、新たに大学等の研究機関、マネジメントコンサルタント、現場調査機材と専門技術を有する調査会社により、2006年4月に協会を発足させた

定量的管路診断についての説明
 
現場調査と個別診断
(1) 劣化診断:衝撃弾性波診断ロボットによる劣化定量診断。コンクリート管および陶管を対象とする破損、ひび割れ、管厚の減耗の数値検査。管体1本ごとに検査し不良度合いを数値化するもの。
(2) 出来形診断(内径変形):傘骨式内径変形診断ロボットによる出来形診断。ジャイロ式不陸蛇行測定器と組合せると管渠の3次元測定ができる。樹脂管の内径変形やたるみ調査に最適。過荷重によるコンクリート管の変形検査や、更生工事の前検査としての既設管実内径検査にも対応する。
(3) 出来形診断(更生管管厚):超音波式管厚測定器による更生管の管厚診断。更生管品質確保に対応する定量的管路診断のひとつである。
(4) 機能診断(流下能力):面速式流量計を使用した流下能力簡易検査。既設管の流下能力(満管流量)を、実測した水位と平均流速からマニング公式を利用して計算するもの。
(5) 機能診断(水密性):自動判定型の圧力式リークテスタを用いた水密性検査。既設管では注水検査、新設または更生管では低圧圧気検査として行う。神戸市や欧米で採用されている判定基準をもとに、定量的に水密性を診断するもの。
(6) 機能診断(不明水):ワンタッチ式流量計を用いた短期間同時多測点流量調査による絞込みと、絞り込み箇所の検査による改善箇所特定、改善前後を含む改善期間を通した定量による事業効果判定を組合せた、定量診断に基づく効果的な雨水浸入水対策。
(7) その他の診断技術:定量的な空洞化診断などが、範疇にあると考えられる

総合診断
(1) 劣化・出来形・機能診断データに基づく、改築・修繕・維持の判定と改善計画の策定
(2) 改築にともなう再構築設計(現行計画の見直し・再編)
(3) 総合評価に基づくライフラインマネジメント(経済診断)
(4) 総合診断カルテの作成とデータベース化

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